条約批准に共謀罪は本当に必要なのか?

umkaji2006-06-15

 「平易に翻訳すると『この選択肢は、共謀または犯罪結社に関する法的概念を有しない国においても、これらの概念の導入を強制することなく、組織的犯罪集団に対する実効的な措置を可能にする』という意味だ。共謀罪などを導入している国もあるという記載は『そういう国もあります』という例示列挙にすぎず『そうせよ』という意味ではない」と指摘する。

 あえて、法律に詳しくない人にも、純粋な英文解釈として聞いてみよう。医学翻訳者の小林しおり氏は「without以下の否定節におけるeither〜AorBは『両否定』ですから『これらのオプション(共謀罪と結社罪=参加罪)には、関連する法的な概念を持たない国が、共謀罪および結社罪のいずれの制度も導入することなしに、組織犯罪集団に対して有効な措置を講ずることを認める余地がある』などと訳すのが妥当ではないでしょうか」と話す。  『東京新聞』

最近、野党議員が条約の法制化にあたって国連が二○○四年に作った立法ガイドを翻訳公表した。それによると「国内の法的な伝統、原則と一致するようにしなければならない」とある。

 「適切な法的な概念を持たない国」では、共謀罪制度を導入せずに、組織犯罪に対して効果的な措置を講ずる選択肢が許されている、という。

 日本には、殺人などの予備罪や爆発物使用共謀罪、実行犯以外の共謀者も摘発できる共謀共同正犯という判例理論などがある。これらで処罰すれば、共謀罪を設けなくても良いという見解が専門家から示されている。

 政府は、国連の立法ガイドを十分に吟味、検討しないまま、昨年十月に法案を再提出し、新規立法を自明のように推進してきたのではないか。各国が国内法で処罰対象とする重大犯罪の詳しい内容も明らかにしていない。 『北海道新聞』

こういう記事を読むと、共謀罪を創らなくても条約に批准できると思うんですけどね。政府は意図的に立法ガイドを読み違えてるのではないだろうか。