愛国無罪

中国各地で反日デモが起こっている。やりすぎだと思うけど、急速な経済成長で高揚しているのだろう。日本の高度経済成長期の学生運動が想起される。韓国でも経済成長期には学生運動が盛んだった。

戦後60年経っても未だに反日感情が吹き出るのはなぜなのか、ちゃんと考えた方がいいと思う。戦没者を追悼するのなら戦犯が合祀されている靖国神社とは別に慰霊碑を建てて追悼すればいい。そういう配慮は甚大な被害をもたらした国として必要だろう。政教分離の原則にも違反しているし。ドイツと単純には比較できないけど、近隣国の感情に鈍感な政治家が目立つ。中国に住む日本人は肩身の狭い思いをしていると思う。最近の日本の「復古」的な風潮は本当に嫌になる。

反日デモをテレビで観ていて面白かったのは、「愛国無罪！」とシュプレヒコールしている様子だった。あれは中国政府に対して言っているのだろう。愛国運動だから弾圧できないだろってことだと思う。皮肉にしか聞こえない。愛国運動以外の反政府的な運動をすれば戦車でひき潰されることをよく知っている。国家というのは多かれ少なかれそういうものだ。経済的自由と政治的自由のギャップが不満として蓄積されている。いずれ中国は民主化せざるを得なくなるだろう。

むかし景気のよかったものは、復古を主張し、いま景気のよいものは、現状維持を主張し、まだ景気のよくないものは、革新を主張する。

相場はこんなところだ、相場は！ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　魯迅

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