『ハッカー宣言』

柄谷行人が『ハッカー宣言』の書評を書いているらしい。

著者が目指すのは一言でいえば、現代の情報社会における『共産党宣言』を書くことである。労働者階級は、かつてのように階級闘争の主体ではない。それにかわって、著者は「ハッカー階級」を見出す。
ハッカーは、コンピューターに侵入・破壊を行う者を指すが、本書ではもっと広く、知的な情報生産に従事する者一般を意味している。それに対して、情報を独占し所有する支配階級(ベクトル階級)がある、と著者はいう。現代の階級は、情報の生産と所有をめぐって形成される。
ドゥルーズの影響を受けた著者の表現は、抽象的で、具体的なイメージに乏しい。しかし、それは、必ずしも欠陥ではない。旧来と異なる今日の階級や階級闘争は、旧来の言葉で語ることができないのだ。(柄谷行人の書評より)

面白そうな本ですね。
<関連リンク>
http://orion.mt.tama.hosei.ac.jp/hideaki/hackermanifesto.htm
白田秀彰ハッカー宣言』の誤解説
http://d.hatena.ne.jp/using_pleasure/200509
翻訳者:金田智之氏のブログ