近藤淳也 講演『ised@glocom』

http://ised.glocom.jp/ised/10010821

>次に、「消費者」という言葉があります。これは「企業対消費者」という関係を意味していて、企業のお客様は消費者であって、消費者は企業がつくった商品を買ってただ消費をするだけである、というイメージがあります。しかし、はたして消費者は消費するだけの存在なんだろうか。もうすこし可能性があるんじゃないか、と思うわけです。たとえば私はノートパソコンを毎日使っていますけれども、これを毎日10時間も使っていればメーカーの人たちが気付いていないような改善点のアイデアを持つようになります。こうした消費者のアイデアを集めることで、商品の開発・改善につなげていこうという動きはすでにあって、これは企業と消費者の境界をなめらかにするということですね。今後は消費者が商品開発に参加するだけではなく、もっとビジネスに参加していくような可能性すら出てくるのではないかと思います。


>こうした業務情報共有の原則はふたつあります。第一に、これは若干特徴的ではないかと思うのですが、「情報の私物化を禁止する」という前提ですね。なぜなら情報というのは、はてなのような会社にとっては非常に大きな資産だと考えているからなんです。はてなの場合、各人に割り当てられたPCなどよりも、思いついたアイデアやプログラムのコード、持っているノウハウというものが非常に価値を持つ。そういうものを私物化せずに、とにかく会社に対してオープンにしてほしいということなんです。


>コストがゼロで商品が開発できるとき、その原料とはなにか。おそらくそこに入るのは、アイデアや人、情報や技術、ノウハウ、人間性、運や偶然といったものでしょう。これはいったい誰の持ち物なのかといえば、それは資金を持っている株主ではない。むしろ社員やユーザー、消費者にもともと属していたものにほかならない。そうであれば、こうした人々に対してきちんと配当をしていかねばならないはずです。あるいは、そういう社員・ユーザーによって投資される会社形態というものがだんだん興ってくるのではないか。このようなことを感じています。

近藤さんの発想って面白いですね。すごく共産主義的な感じがする。こういうところから世の中が変わっていくんでしょうね。
<関連リンク>
「可能なるコミュニズム」