各国の教育基本法

umkaji2006-04-13


愛国心」の表現で合意 教育基本法改正の与党検討会

 自民、公明両党の教育基本法改正に関する与党検討会は12日、最大のハードルとなっていた「愛国心」の表現について「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する」とすることで合意した。これを受け、政府・与党は今国会への提案に向けた調整を急ぐ。ただ、自民党内から異論が出る可能性もあるほか、国会の会期延長など政局判断もからむため、提出までは曲折がありそうだ。 『asahi.com』

教育基本法の改悪が進められていますが、「愛国心」を入れることで与党内は合意したようですね。

教育基本法について少し調べてみると、各国の教育基本法が載っているページがあった。

(1) アメリ
連邦国家であるアメリカ合衆国では、教育に関する事項は基本的に州の専管事項とされており、連邦レベルで我が国の「教育基本法」に相当するものはない。
但し、具体的な全国教育目標を定めた法律がある。
各州は州法(州教育法)を定めているが、その内容は一般に教育行政の仕組みや学校教育の基本的枠組みについての具体的、実務的な規定であって、教育の理念や原則を定めたものではない。

(2) イギリス
我が国の「教育基本法」に相当するものはない。
教育制度の総合的な枠組みを定めた法律があるが、教育の理念などを定めた規定はない。

(3) フランス
教育基本法と称する法律は何度か制定されているが、最近のものとしては、1989年に制定された「教育基本法」(通称「ジョスパン法」)がある。この法律は、教育を国の最優先課題とすることを公約した社会党政権下で成立した法律であり、6編36条からなる。
教育基本法の主な内容】
国民の教育水準の向上のための目標
就学前教育の促進
進路指導における生徒の主体性の重視
学校運営に対する生徒の参加の促進
教員養成制度の改革
教員・父母・学生・地方公共団体の代表からなる審議会の設置

(4) ドイツ
連邦国家であるドイツ連邦共和国では、教育に関する事項は基本的に州の専管事項とされており、連邦レベルで我が国の「教育基本法」に相当するものはない。
但し、高等教育については、「高等教育機関の使命」等について定めた「高等教育大綱法」が定められている。
各州は、初等中等教育法、高等教育法など個別の法律を制定しているが、教育基本法に相当する法律はない。ただし、教育の理念や目標を州憲法で規定している州がある。

教育基本法資料室文部科学省

わりと教育基本法そのものがなかったりするんですね。フランスにはジョスパン法というのがあるが、実務的なもので愛国心の記述などどこにもない。法律に愛国心を書き込むというのは、やはり行き過ぎなんじゃないでしょうかね。韓国の教育基本法にも愛国心など出てこないですね。

中国はさすがにありますねw。

第6条 国家は教育を受ける者に対し愛国主義集団主義社会主義の教育を実施し,理想,道徳,規律,法律,国防及び民族団結の教育を実施しなければならない。

だいたい愛国心を押し付けてくる支配層というのは、中国や北朝鮮などロクなところがない。今回教育基本法を改悪したい人々というのは中国や北朝鮮よりの教育をしたいということなんでしょうかね。

諸外国における国旗,国歌の取扱い
国旗、国歌の取扱いに関しても国歌の斉唱というのはあまりないですね。入学式や卒業式自体がない国もある。日本で国歌を斉唱しなかったから教師が処分されたとか、斉唱の音量をチェックするというのがいかに異常なことなのかが分かる。

憲法自民党改悪案もそうだけど、ほんらい権力の暴走から国民や教育を守るための法律を、逆に権力によって国民や教育を縛り付けていこうとする意図がみえる。この国の右翼反動勢力は中国や北朝鮮を批判するけど、この国を似たような体制にもっていきたいということなんでしょうね。


<関連リンク>
教育基本法改正案の要綱全文
教育基本法「改正」の何が問題なのか4月13日『五十嵐仁の転成仁語』
抵抗じゃ。たんたんと、そんで、粘り強く。『OnO-Masa Home page はてな出張所』
教育基本法の改悪に反対する『goo-needs' blog』
教育基本法の基礎知識『あんころ』