「情報社会の倫理と民主主義の精神」

umkaji2004-12-04


http://ised.glocom.jp/ised/00031030

インターネットの現状と展望を議論している(長いのでリンクは共同討議から)。2ちゃんねる時代の終焉や、韓国のネット事情との比較など非常に興味深い(それにしても東浩紀は太ったなぁw)。

2ちゃんねるのような匿名掲示板は必要だし、それなりに面白いが、殺伐とした気分になるのも確かだ。人間というのは面白いもので、匿名→半匿名(ID制)→実名(現実社会)となるにつれて言葉が慎重になる。人格は確固としたものとしてあるのではなく、他者の視線によって形成される。他者の視線があって初めて自分というものが存在する。

匿名掲示板とBlogのような半匿名の空間は共存していくのではないだろうか。匿名掲示板は匿名という意味では自由だが、自由ってこんなものだったのかwというような感じだ。それに対して半匿名、実名の世界はある意味では不自由だが、温かいものでもある。

社会は今、保守化していると思う。それを一番感じたのが最初のイラクでの人質事件のときだった。自分の頭で考えないポピュリズムのような言説が2ちゃんを中心に溢れかえっていた。しかし有事のときに右傾化するのは国民国家でやっている以上、不可避的なことでもある。極端な話、戦争が起これば一致団結してやるしかないというような(だからこそ国民国家という制度には問題があるのだが)。アメリカが凄いのは、戦争をやりながらもマイケル・ムーアのような人が出てくるところだと思う。戦時下の日本で戦争反対などと言えば、たちまち非国民扱いにされ、村八分にされてしまうだろうという危惧がある。

そんなときにインターネットが自由な言論が守られるような空間になってもらいたいと願う。


付記:鈴木健氏のコスモポリタニズムという視点は非常に重要だと思う。
http://blog.picsy.org/archives/000167.html