新自由主義とホリエモン


ホリエモンの記事はもぉうんざりという人も多いと思います。僕はホリエモンをいじめたりしないので、安心してくださいw。日刊ゲンダイには「ホリエモン乳もみセクハラ発覚」なんて記事も出てましたが、それは置いといてw。

下の記事にも少し書いたのですが、新自由主義を推し進めていくとホリエモンのようなのが出てくるのは必然的なことだと思う。だからマスコミが自民党を妙に持ち上げ、ホリエモンを叩くのは、矛盾してるんですよね。自民党規制緩和によって、ホリエモンが出てくる下地を作っていたわけだから。

ホリエモンがやっていたのは、株を分割して株価をつり上げて、それを元手に会社を買収して、そしてまたそこの株価をつり上げて、というようなことだと思う。ハゲタカ・ファンドのようなことをやっていたと思うんですよね。

新自由主義の本家アメリカはハゲタカ・ファンドが跋扈するような社会で、ヘッジ・ファンドが世界中の市場を食い荒らしている。今回のライブドア・ショックでは多くの個人投資家が泣いてますが、ヘッジ・ファンドは空売りをしてずいぶん儲けてるはずなんですよね。こういう株価操作のようなことは、大量の資金がないと出来ない。けっきょく金のあるところにさらに金が集まるということになると思う。

新自由主義(市場原理主義)というのは資本制の最終段階で、もっとも純化された、凶暴なものなのではないか。大量の資金を持っている資本家が交換可能性である貨幣を天国につみあげている。それは宗教的な世界だと思う。それは現世に生きる誰をも豊かにしない。貧しいものはさらに身包みをはがされることになる。発展途上国におけるグローバル企業の搾取という南北問題。アメリカの格差社会の中にある南北問題。日本の中にも芽生えつつある南北問題。市場原理だけでやっていると絶対に非民主的な社会になってしまう。

そしてアルカイダのようなテロはいっけん宗教のように見えるけど、本当は経済問題なのだと思う。もちろん資本制のグローバリゼーションに対抗するようなものです。それが皮肉にも資本制に対抗するマルチチュードになっている。本当は私たちがマルチチュードにならないといけない。

人間が人間らしく生きられる社会。環境を損なわないような社会。こういう社会を目指そう。21世紀は資本制が行き詰る世紀だと思う。それは環境破壊などに顕著に出ている。倫理のない投資は地球を破壊する。いわゆる共産主義に戻るわけではないが、新しいアソシエーションを形づくらないといけない。それにはインターネットを介した新しい市民社会の形成が鍵になると思う。新しい市民社会が政治を動かし、経済を動かしていく。そういう21世紀にしたいものです。



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